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【募集終了いたしました】罪を犯したとされた人の家族(『加害者家族』)が傷つけられずに生きていくために

その人が犯したとされる罪は,許されないものだったかもしれません。でも,その家族も,生きることを許されないのでしょうか。

彼は,その人の子どもであるというだけの理由で,いわれのない攻撃を受け続け,排除され,息をすることすら困難な状況におかれています。

彼は,何も悪いことをしていません。その人の子どもとして生まれたというだけで,彼はどんな攻撃を受けても仕方がないのでしょうか。

彼が、人としての尊厳を取り戻すための裁判をご支援ください。

 

はじめまして 「一般社団法人共にいきる」の代表、鈴木邦男です。

当社団法人は、様々な理由で人が本来有している基本的人権を侵害され、社会で生きづら思いをしている人たちの支援をしています。

今回は、親が「麻原彰晃」である子ども(長男)が当事者である案件を支援しようと考えています。

 

1995年の地下鉄サリン事件当時、長男は2歳でした。しかし、親が「麻原彰晃」である彼は、あらゆるところで排除されました。

かつて地方自治体からは、住民票を受理してもらうこともできず、ゴミ収集すら拒否され、保険診療を受けることもできないという、現代社会では考えられない環境におかれました。
また、公立の小学校へ転校を拒否され、裁判をしてようやく通えるようになったら、今度は「麻原彰晃」の子どもだからといじめられました。
彼は、血による差別、出自による差別にさらされ続けてきたのです。

社会には今でも長男について、事件当時、まだほんの2歳の幼児だった事実を無視し、教団の一員だ、「麻原彰晃の後継者」だと言って、あたかも危険人物であるかのように喧伝する人たちがいます。
その一人が、弁護士であるA氏でした。A氏は、2018年7月10日、長男がA氏に対し「殺人予告をした」と、告訴状を提出したのです。

2018年7月、ある人物がツイッターで「殺しに行くぞ」とつぶやきました。
もちろん、「つぶやいた」のは長男ではありません。しかし、A弁護士は長男が犯人だとして、7月10日、警察署に「殺人を予告した」と脅迫罪で告訴し、さらに翌11日には、告訴したことを司法記者クラブで記者会見し、告訴状の写しをマスコミに配布しました。
この会見は新聞・テレビなどのマスメディで報道され、インターネット上では長男に対し誹謗中傷・罵詈雑言を浴びせる書き込みが多数なされました。

松井弁護士が言うように、後述する文章を読んでいただくとわかりますが、A弁護士が「殺人予告」としたツイッターの投稿には、長男の名前はもちろん、A氏を名指しにし、「お前を殺し行く」といった文言はありません。

A弁護士は、オウム真理教問題の専門家を自認しており、長男のことも知っていました。そのA氏がなぜ、無実の長男を殺人の脅迫罪で告訴したのでしょうか。
告訴とは、単に被害を届けるのではなく、行われた犯罪について「国による処罰を求める意思表示」です。告訴を受けた者は、その嫌疑が晴れるまで警察、検察から捜査をされます。時には逮捕され、強制捜査を受けることもあります。
A弁護士は、いったいどのような理屈と根拠から告訴をしたのか、裁判の経過から明らかになると思われますが、A氏の日ごろの言動から考えるに、やはり、残念ながら、麻原彰晃の長男だから許せない存在だ、という法律家とはとても思えない偏見に満ちたものだと思わざるを得ません。
この告訴のために、そして告訴に端を発した社会からのバッシングのため、ただでも生きづらかった長男は、息をすることさえもできなくなるような生活を強いられるようになりました。

インターネット上に広まった情報は、二度と消し去ることはできません。たとええん罪であっても「真実」を知らない人にとっては、その誤った情報が「真実」となります。そのため、長男は、親が「麻原彰晃」であるというレッテルだけでなく、殺人予告をするような危険な人物であると社会に思われてしまうことになりました。

現在、長男は、どうやってこの社会で生きていって良いのか分からなくなっています。
親が「加害者」だから、「麻原彰晃」だからという理由で、傷つけられるのはおかしい――。

私は、長男に、あなたの尊厳を守ろうとする人がいることを示したい。世間には「親が加害者だからおまえも許さない」「おまえも死ね」という人たちばかりではなく、人間として尊厳を持って「生きていていいんだよ」と言ってあげられる人たちがいることを信じてもらいたい。
そう考えるのは、きっと私だけではないはずです。

この裁判は、世間の偏見ゆえに、人間としての自信を失いかけかけた彼に、生きる尊厳を取り戻してもらうためのものだと、私は考えています。長男の尊厳を守ろうとする人がいることを、この支援を通じて示したいのです。
どうかご支援をよろしくお願いいたします。

以下では、現在代理人を務めている松井弁護士からの事件の概要をお伝えします。ぜひお読みいただき、関心を持ち、今後とも見守っていただけると幸いです。

 

はじめまして、弁護士の松井武です。私は、長男の訴訟代理人です。

【事件の概要】

現在、長男はA弁護士に対して名誉毀損を理由として損害賠償を求める裁判を起こしています。

事件は、A弁護士がツイッターで「殺しに行くぞ」と「つぶやいた」のが実際は長男ではないにもかかわらず、そうだと知りながら、あるいはよくよく注意すれば分かったにもかかわらず弁護士に課せられている法律専門家としての注意義務を怠り、長男がツイッターで「殺しに行くぞ」と「つぶやいた」として、2018年7月10日、警察署に殺人予告の脅迫罪で告訴し、さらに翌11日には、告訴したことを司法記者クラブで記者会見を行ってその旨発表するとともに、告訴状をマスコミに配布したというものです

その他細かく言えば訴訟を提起した理由が何点かありますが、ここでは省略します。以下では、もう少し詳しく、事実経過をお知らせします。

 

【事実経過】

2018年7月10日、A弁護士は、投稿者(以下、「Bさん」とさせていただきます)が大要「誰かと誰かは二世皇帝と趙高のような関係になったら、殺しに行くぞ」等とツイッターで「つぶやいた」ことについて、このような「つぶやき」は長男のA弁護士に対する殺害予告の脅迫であるとして警察に告訴状を提出しました。

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テレビ朝日より

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しかし、そのアカウントは長男のものではなく、Bさんのものでした。長男はA弁護士とツイッター上でやり取りをしたことは一度もありません。

A弁護士が記者会見の席上で(訴訟においていかなる主張をしているかとは別です)、長男と特定した根拠としてあげた内容は、以下のようなものでした。

・松本智津夫のことを尊師と言っている。
・A弁護士のツイッターをフォローし、A弁護士をタッキーと呼んだ。
(注:長男の)2番目の姉のNさん、3番目の姉の麗華さんとツイッターで相互フォローしている。

A弁護士のこれらの主張(別の主張になるかもしれません)に対する反論については、訴訟の中で明らかにして行きたいと思います。

 

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AbemaTVより

A弁護士は、記者会見の席上で、次のように発言しました。

「誰かさんと誰かさんの関係が、二世皇帝とチョウコウのようであるなら殺しに行くぞとツイッターになっている、出ていること、それが2つ。そこに恐怖感を覚えました。

(中略)強烈な、宗教上な強烈ものであり、破壊的カルト集団であり、かつ宗教団体であるオウムとして、麻原家として、どのような事に出てくるか不安だから、いうことから国はテロリスト、テロリズムに対する解決の一環として、助けてください。

と発言しました。この発言は、まるで長男に対するA弁護士の告訴がテロリストに対する解決の一環、テロリズムに対する解決の一環としてのものであるとまで言っているようです。これは、長男がテロを行うかのような人物であるとの印象や認識を社会にあたえるものです。

その後、Bさんは、警視庁に出頭しました。これに対するA弁護士の対応はというと、長男に対する告訴を-形の上では-取下等を行うことなく維持した状態で、今度は「氏名不詳」として改めて告訴を行いました(「氏名不詳」として告訴した旨の「報道」はあっても、告訴を取り下げる等その効力を失わせることをしたとの「報道」はありませんでした)。

私は長男の代理人としてA弁護士に対し、何回か内容証明付き郵便で朝日新聞、毎日新聞、読売新聞(五十音順)に謝罪広告を掲載することを求めましたが、その後らちがあかなかったので、それに加えて慰謝料の請求を行いました。
しかし、長男の請求が聞き入れられることはありませんでした。

その後、私宛に謝罪文と題して書面が届きましたが、その中で、A弁護士は、「血脈を持つ男子として『生まれながらの最終解脱者』とされ、次期グルになり得る立場の人から、その相手のために殺すという『ポア指令』が、不特定の信者に出た趣旨にもなる」などと2018年7月14日付けブログに公開し、記者クラブに送ったと書くなど、全く謝罪になっていませんでした。

むしろ、この主張は、長男に対する新たな名誉毀損行為となることも考えられます。これについては改めて考えていくことにします。

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A弁護士のブログより

私は、再度、謝罪を求め、慰謝料を請求する通知を送りました。そうすると、A弁護士から「謝罪文」との題名が付いた文書が送られてきました。私及び長男は、A弁護士が記者会見をして多くの国民に長男を殺害予告の脅迫罪の被疑者として告知した以上、同様な方法で、少なくとも記者会見を行い、テレビカメラの前で謝罪の意思を表することが必要だと考えて、A弁護士の対応を受け入れることはありませんでした。

長男は私に対し、「『松本智津夫の子ならこの程度で十分だ』くらいにしか認識していないんでしょうね」との感想を伝えてきました。

インターネット上では、情報は、それが正しいか否かを問わず、あっという間に拡散してしまいます。
長男がA弁護士を脅迫したという情報は広まり、いまだにそれが真実かのように書いた記事や、長男のことを誹謗中傷する内容のものが現在も残っています。

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A弁護士は、サリン事件の被害者として、またオウム真理教被害対策弁護団の一員として、被害者の声の代弁をしてきました。当然、被害者の受けた苦しみについてはよく理解されているはずです。
長男の苦しみについても理解できるはずですし、長男が何を求めているのかも私が出した内容証明付き郵便から理解できるはずです。

【この裁判の本質的問題点と思われること】

A弁護士が行ったことは、殺人予告の脅迫という事実に対する告訴、単なる被害届ではなく訴追を求める意思表示です。この告訴についてA弁護士が記者会見で言っていることを次に掲げるので、多少長くなりますが、読んでみてください。

いったい、裁判で名誉を回復したいと考えることがおかしいのかどうか考えていただければと思います。なお、この反訳文は録音録画を起こしたものですので不明確なところがあることはご容赦願いたいと思います。

「誰かさんと誰かさんの関係が、二世皇帝とチョウコウのようであるなら殺しに行くぞとツイッターになっている、出ていること、それが2つ。そこに恐怖感を覚えました。3つ目はもちろん、・・・・であり、強烈な、宗教上な強烈ものであり、破壊的カルト集団であり、かつ宗教団体であるオウムとして、麻原家として、どのような事に出てくるか不安だから、いうことから国はテロリスト、テロリズムに対する解決の一環として、助けてください。」
「私どもに引き渡す、直ちに引き渡す代わりに、あぶないから今は受け取れないといっているんですから、国とともに、骨をパウダー化し、国とともに船をだしてもらって、太平洋に撒きにいく。国として対応したというために、国のしかるべき地位の人も含めて、これに対応することは、テロ集団に対するものとして、日本国として必要だと思います。」
「その遺体ないし、遺骨(中略)告訴人が、告訴人及び、告訴人が代理している松本智津夫の……が、東京拘置所から引き渡しを受ける可能性が大きいと、報道されてる7月7日において、『誰かと誰かは二世皇帝と趙高のような関係になったら殺しに行くぞ』」

 


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日テレNEWS24より

 

ところで、もし、逆に告訴をしたのが長男で、告訴されたのがA弁護士だったらどうなっていたでしょうか。そして、それが事実無根だったことが分かったら。
マスコミも社会も、被害対策弁護団も一斉に長男を非難し、強烈なバッシングをし、袋だたきにしたかもしれません。これによって、シャイな長男は自殺にまで追い込まれていたかも知れません。
また、もしかしたら、長男は虚偽告訴罪(刑法172条。ちなみに法定刑は3か月以上10年以下の懲役です)でA弁護士から告訴され、そしてまた、捜査の対象になったかもしれませんし、強制捜査により身柄を拘束され、さらに公訴を提起され、公判が開かれたかもしれません。
それこそ、マスコミは、「長男=麻原彰晃」というキャンペーンをはり、いわゆるオウム真理教関連事件の捜査や裁判の時を彷彿とさせる状況が作り出されたかもしれません。

更に言えば、加害者の子が被害対策弁護団の一員に対し、罪に陥れたとして、告訴という手段を使って復讐するという構図が描かれたかもしれません。
ちなみに、真犯人が罰金刑になったとの報道はありましたが、長男が犯人ではなかったと自ら報道したマスコミは私の知る限りはありませんでした。
長男は社会的に抹殺されたと言っても過言ではないのです。

訴訟は、長男のA弁護士に対する殺人予告の脅迫行為という実体が無いにもかかわらずなされた告訴を名誉毀損であるとして提訴したものです。しかし、この訴訟の背景にある大きな問題と思われるのは、親が「麻原彰晃」である長男、親が「加害者」である子(家族)、まさに、血による偏見、血による帰責をどんなふうに考えるのかということだと思っています。
そして、これまで幾度となく行われてきたであろう、そして、今後も行われるであろう加害者の家族に対するいわれなき誹謗中傷をなくし、個人の尊厳を実現するための1つの契機としてこの裁判に対する支援を求めるものです。

 

【当法人からのお知らせ】

当法人から裁判支援のご協力に際して、次のとおり、お伝えしたいと思います。

第1に、ご支援、ご協力は、裁判の実費、弁護士費用、そして、支援してくれた一般社団法人共にいきるに対する手数料の支払いなどに使わせていだきます。 もし、これらに充当しても、さらに余剰が出た場合は、この訴訟の上訴審の実費や上訴審の弁護士費用に充てたいと思います。

第2に、ご支援・ご協力の内容とそれに対するお礼等の対応について

ご支援。ご協力の額

5000円

当法人から裁判の期日、進捗状況をメールでご報告します。

なお、進捗状況については口頭弁論期日等公開の法廷で期日が開かれるときにはそのままお伝えすることができますが、公開法廷ではない会議室等で裁判官、原告及び被告等で進行を行う「弁論準備手続」等の場合は、その期日のお知らせ以外に内容をお伝えすることに制限があるかもしれません。

この点はお許しください(例えば、「○月○日弁論準備手続が行われる」との程度になります)。

 

10000円

当法人から裁判の期日、進捗状況をメールでご報告します。
進捗状況をお伝えすることについては上記を参照してください。

 

50000円

当法人から裁判の期日、進捗状況をメールでご報告します。
進捗状況をお伝えすることについては上記を参照してください。
第一審の判決の主要部分を含む最終報告書をメールでお送りします。
※ただし、閲覧等制限がかかっている事項についてはお知らせできませんのでご了承ください。

 

100000円

当法人から裁判の期日、進捗状況をメールでご報告します。
第一審の判決の主要部分を含む最終報告書をメールでお送りします。
判決後、できるならこの方々に裁判の経過等を口頭で松井弁護士から報告させていただきたいと思います。
※ただし、閲覧等制限がかかっていることについてはお話ししたり、お知らせしたり出来ないことになると思います。

なお、いずれの場合も、ご報告した内容について、形式を問わず「公開」あるいは「公開」と同じような効果を持つ情報の流通(以下、「公開等」といいます)はしないようお願いいたします。「公開等」が発覚した場合は、それ以降のご報告を止めさせて頂くことがあります。

 

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